COLUMN

コラム

「学び」と「運」は仲良し!?
早稲田大学にてEMBAプログラムを取得中です。そこで感じたのがどうやら学びを深める中で「運」も上がっていくのではないかということです。「運」と「学び」は相関関係がありそうだということです。そのあたりを考えてみました。私が考える学びによる運の磨き方は4つです。

今までと違ったコミュニティから学ぶ
EMBAには日本全国から様々な業種の方が見えています。まるで他流試合。普段は出会うことのない方ばかりが全国から集まります。業種も違う、考え方も違う、経歴も違うわけです。ユニークな考え方、鋭い質問からは新たな視点が開けます。
また、自分では解決できなかったことも仲間の意見から解決の糸口が開けることも多々ありました。しがらみや利害関係のない仲間だからこそ本音を言い合えるのでしょうね。今までにない新しい手法を仲間の発言から発見し、解決策を見出すヒントになりました。気がつけば問題解決力が高まり人間力が増す。これぞ運を磨くには大切なことなのではないかと思います。「今まで知り合わなかった仲間と関わること」を意識してみては?新たなコミュニティに参加するのも良いでしょう。

他流試合から学ぶ
学びは他人と議論を交わすことからも得られます。これをEMBAでは「他流試合」と表現しています。学校に通わなくても日常生活には学びが溢れています。
ある芸能人の方が「隣人は芸の肥やし」というようなことを言っていました。この言葉を受け「隣人は情報の宝庫」と置き換えました。周囲の人が困っていることが新しいビジネスアイデアを生み出しますが、これからは「何に困るかな」と先を見据えてお節介することでチャンスが生まれるのではないでしょうか。そのためにも日常の小さな出来事からも学ぼうという姿勢は大事なのだと思います。
またEMBAの仲間とは講義が終わると少人数で食事に行きます。ここでの雑談になんとヒントの多いことか。些細な会話にあっと驚くことがあります。2つ目の「他流試合から学ぶ」とは仲間と議論を交わすことで思考が深められ運やチャンスに敏感になることです。意見が違う時こそ「やった!学びの瞬間」と喜びましょう。

どこにいても学びはある
先日のことでした。早稲田大学EMBAの先生2人のセッションで面白い問答がありました。ある大企業のトップが社員に「通勤中電車の中で何をしている?」と問いました。今でしたらスマホで情報をチェックしていますなどと答えるのでしょうか?当時はスマホなども普及していなかった頃の話で、社員は「新聞を読んで経済をチェックしています」と答えました。そこで社長さんは「それではだめだ。新聞は出勤前に家で読むもの。電車の中では一日の予定を頭の中に入れる。スケジュールの確認だよ。通勤から仕事は始まっている」と喝を入れたそうです。その話を聞いた、別の教授が「少し前までは電車の中吊り広告を見て、どんな企業に勢いがあるかをチェックしていた」とすかさず一言。なるほど、電車の中もアイデアやチャンスが眠っているのですね。また人には様々な「空き時間」がありますが(移動時間など)その時間をどのように活用するか。これは一つの例ですがどこにでも運を拓くヒントはあると気づかせてくれました。3つ目は「どこにいても学びはある」ということです。

苦手を学ぶことこそ運を磨くチャンス
自分の好きや得意に集中することも大切ですが、さらに運を磨きたいなら「苦手なことからも学ぶ」。これが4つ目になります。どうしても逃げたくなる苦手なことはあります。しかしそこから目をそらさずに失敗してもいいから行動していくことが大事ですね。苦手なことに取り組み、エラーがあれば詳しい人に教えてもらうというのも一つの方法でしょう。
ただ失敗したときにいつまでもくよくよしないことです。ここは楽観的に物事を捉えていきましょう。
最近こんなことがありました。オンラインサロンで動画を配信していますが、そもそも自分が映されることが苦手でした(アナウンサーなのに)。オンラインサロンの動画撮影もやっと慣れてきました。ところがその日の顔つきはいつも以上にこわばり、何度か撮り直しをしました。気持ちもだんだん萎えてきます。そこで自分に魔法の言葉をかけ「今まで何度も撮影に挑んできたのだから失敗するはずがない」と。そうです。自身を鼓舞したのです。スポーツであれば「負ける気がしない」といったところでしょうか。大切なのは失敗するかどうかより、前向きに捉えられたということなのではと思ったのです。撮影は取り直しが増えると疲労も蓄積されるはずですがこの日は違ったみたい。最後のコメントで納得いく一言が振ってきたのです。きっと開き直って「なんとかなるさ」で明るく楽観的に取り組んだからでしょう。苦手なことに向かうことで運も磨かれる。乗り越え方は楽観的に考える。できそうでこれができない。そんな葛藤の日々です。
以上、4つの観点から学びと運についての相関関係を考えました。これからのあなたの人生において運命を切り拓くツールとして「学び」を加えてもらえたら嬉しいなあって思います。
と、書きながら私も苦手から目をそらさず立ち向かっていこうと、もがいている最中ですけれどもね。

NHK文化センター前橋教室にて「心に伝わる話し方教室」主宰

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