COLUMN

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れい子先生との思い出
NHKでラジオ番組に出演してもらっていた当時群馬県立女子大学の教授をしていた篠木れい子先生が「大型連休はゆっくり読みたかった本を読むわ」と話していたことを毎年この時期に思い出します。特に今年は新型コロナウイルスの影響で外出ができず清々しい青空を眺めながら、何をしたらいいのだろうと思い、れい子先生の言葉を思い出しました。
れい子先生は私がNHK前橋に入る前からラジオなどで声を聞いていまして「素敵な方だな」と憧れていました。無論、れい子先生と対談をしていた、のちに私の大親友となるキャスターの話の引き出し方も、見事だったのですが二人のやり取りがテンポよく毎回放送を楽しみにしていました。

『夕焼けほっと群馬』で出会った先生方
2001年から放送開始したNHK前橋放送局の県域放送FM番組『夕焼けほっと群馬』の言葉のコーナー「ふるさと再発見」でれい子先生と番組をご一緒させていただくことが決定したとき、憧れの人と話すことに随分緊張したものです。その後れい子先生とは、気が合い(先生が合せてくれた?)ご自宅にお邪魔させてもらうほど親しくさせてもらいました。私がNHK前橋を終了してからも月に一度お会いして近況報告を、同じく番組コーナーを担当していた群馬大学社会情報学部の落合延高先生とともにさせていただいたものです。
これらの先生方が優しく見守ってくれたことで今の自分が静かに形成されていったのだなあと思います。
また忘れていけないのは詩人の柳瀬和男先生。「群馬の詩人」というコーナーを担当してもらいました。柳瀬先生は毎回手書きの原稿をコピーして持ってきてくださいました。お人柄が滲み出る原稿で、今でも大切に取ってありますし、群馬の詩人をひも解く際の私のバイブルになっています。
”萩原朔太郎“さえもあまり知らなかった私に、直属の上司である岡田誠吾アナウンサーが「奈良ちゃん、柳瀬先生にコーナーを担当してもらおう」と出演を依頼して快諾いただきました。それから番組が8年続きましたが、先生のコーナーも継続し、私がNHKを卒業するときに柳瀬先生は「のりえさんが卒業するなら僕も卒業します」とおっしゃって先生のご出演は終わりました。「柳瀬先生は継続してください」とお願いしても意思を通されました。義理固い方です。

光野純子局長と女性PD松島麻子さん
私が在籍していた時に女性局長である光野純子さんが「奈良さんは群馬の宝です」と言ってくださった。身に余る言葉でありながらも、そうならなくてはお世話になったNHKの方々に申し訳ないという思いで今も突き進んでいます。
その後、FMぐんまの岡部哲彦アナウンサーが私を推薦してくれたことがきっかけで(FMぐんまとNHK前橋の共同制作特番を担当したことがご縁で知り合った)今の私がいるわけですが、まだまだ光野さんがおっしゃってくれた「群馬の宝」にはほど遠い。
また同じくNHKでPDとしてお世話になった松島麻子さん。彼女は私につきっきりで1か月間、ラジオキャスターとしての“奈良のりえのベース”を作ってくださった。ご自身だってディレクターとして番組を制作する立場でお忙しかっただろうに。そして今でも忘れない。松島さんに「ご恩返しをさせてもらいたい」と言ったときに「私でなく後輩を育ててね」と言っていただきました。

群馬イノベーションスクールでの「プロボノ活動」でご恩返し
司会やアナウンサーとして関わる後輩たちは私よりしっかりしていて、むしろ私が教えられることが多いのですが、プロボノ活動としてアントレプレナー(起業家予備軍)の人材育成に群馬イノベーションスクール(GIS)で関わらせていただいています。JINSホールディングスの田中仁CEOが起業で地域を元気にしようと初めたビジネススクールです。早稲田大学ビジネススクールの人気講師長谷川博和教授の講義が素晴らしく、私も事務局として8年目となりましたが毎回授業を聞くのが楽しみで仕方ありません。受講生の方々も熱心に学ばれ、修了後もOB,OGとして関わってくれる。
皆さんの夢が叶うような手伝いが少しでもできれば私も育てていただいた方々への恩返しになるのかな。まだまだ私を育ててくれた方の話は尽きませんが、今日はこのあたりで。
大型連休は私を育ててくれた方々に「感謝」の気持ちを送る、大切なリセット時間として過ごしています。

GISにて8期生スタート時にJINSホールディングス田中CEOがGISの思いを語る

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