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『まるい気持ち』

♡コラム♡約1500文字 5分で読めます。

「ピンチがチャンス」とは中国の故事でいうところの『人間万事塞翁が馬』に近い表現と捉えています。私は良いことがあると飛び上がって喜んでしまいますが、そのあとがっくりくることも多々あります。全く逆で上手くいかないな、ということが結果的には上手くいかなくて良かったこともあります。

昨日は横浜で仕事でした。朝一番で、新幹線ホーム内のお手洗いに傘を忘れてきてしまいました。横浜に到着する途中で気が付いたのですが「仕事に集中できない、心配事が増えた」と少しだけ落ち込みました。なくなっている可能性もあるけれど、まずはJRの落とし物窓口に連絡をします。朝早かったせいか、電話が混んでいたのか20回以上かけましたが話し中。やっとつながり、状況を説明。そして「らしき傘」が駅に届いていたことが分かりました。私が忘れてから2時間後に届けられたそうです。届けてくださった方に「感謝」です!(私もそういう人になるぞ!)

帰りの新幹線では3人掛けの通路側に座り(窓際に男性が座っていたので)、重い荷物を降ろして一安心。真ん中の席を空けて座ります。しかし、次の駅でほぼ満席状態。すると20代の女性が大きなトランクを持って「すみません」と声をかけてきました。「あ、席を詰めて座らなくては」ととっさに思い、移動しようとするとその女性が「いえ、真ん中に私が座ります」と言ってきたのです。(真ん中が末席のイメージな)。私はとっさに「どこで降りるの?」と訊ねます。先に降りる人が通路側に座ったほうが、お互い楽だと思ったからです。結局私のほうが先に降りることが分かり、通路側に座って一件落着。

その後は。ふかーい眠りに入り、泥沼のようにはまりました。目が覚めた瞬間に、人々の景色が変わっていて、さらに立っている人がいたので、腕時計を確認すると到着時刻を過ぎていた「やってしまった」。

少しぼんやりした頭が冴えてきて「どこを走っているか分からないから、もしかしたらまだ目的の駅ではないのでは」と冷静に祈るように場内アナウンスを待ちます。ここで、時計見ているのに?と思いますよね。実は数分進ませていたので絶妙な時間だったので判断ができなかったのです。結局、乗り過ごしていなかった。なんだか「救われた気分」でした(自作自演のドラマのよう)。

ほっとして、荷物の忘れ物はないかどうか入念なチェック(朝一番で忘れ物しているからなおさら)。席を立った瞬間に、席を譲り合った隣の女性のことが気になり目線を向けると、彼女もペコリとあいさつ。見ず知らずの人同士で席のやり取りをしたことを彼女もきっと覚えてくれていたのだと嬉しくなりました。声に出さずとも「ご親切、嬉しかったです」と聴こえてくるようでした。

素敵な経験でした。一日の疲れも吹き飛びます。そして、これまた忘れずに傘を受け取り返ることができました。思い返せば今日は朝から日傘は必要ありませんでした。加えて重い荷物で限界だった。そう思うと駅員さんや忘れ物の対応してくれた方には申し訳ないのですが「傘を預けて移動した」ということになるのではと、ふと思ったわけでして。

そう、人間万事塞翁が馬。忘れ物をしてショックを受けたことも、結果としては他で無くす可能性が避けられて荷物の軽減になりました。そうはいっても忘れ物はしないほうが良いと教訓を噛みしめて、場内アナウンス「お忘れ物などございませんよう」を聞いたのでした(いつもアナウンスで自分が言っているのに)。今日一日の思いがけない喜びは、電車での席の譲り合い。最後に挨拶をアイコンタクトしてくれた女性の美しさでした。若いのに偉いな。私もそんなまっすぐな女性になりたい。

と、コラムを書いていましたら朝から素敵なプレゼントが届きました!

写真のように丸い気持ちで、周りとのご縁を大切にしたいと誓う土曜日の朝です。

 

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